2016/01/30

二日目のスキヤキ

クタっとした葱と春菊、1日目には作り得ない味の染みきった白滝、あの二日目のすき焼きを食べるにはどうしたら良いのか。それは1日目から始まっている。

二日目のスキヤキは美味い。それはスキヤキと定義されるものとは異としているかもしれないが、味が染み込んで全てが一つとなった味わいが良い。
量はさほどいらない。味が濃くなっているから沢山あってはいけない、鉢に一盛りあれば良い。酒の肴にはもちろん、白いご飯の上に乗せても良い。
具もできれば色々なものを残しておきたい。
葱と春菊は必要だ。白滝と、白菜も少し欲しい。お麩があれば味わい深い。
それと、牛肉。
せめて一切れ、残しておきたい。

二日目のスキヤキを作るためには一日目の終盤が大切だ。
「あぁ、お腹いっぱいだ。もう食べられないから、後は食べて良いよ。でも、無理しないで。残しておけば明日食べるから」
このセリフを言うタイミングか重要だ。鍋を狙うツワモノどもの腹具合と、鍋に残った具材を秤にかけ、巧みに残す量を調節する。
鍋を食べきられないように敵のご飯を少し多め盛る策も効果的だ。

そうして得られた二日目のスキヤキは、ナニモノにも変えられない美味さが染み込んでいる。

0 件のコメント:

コメントを投稿